――「EVOKE」を皮切りに始まる3ヵ月連続リリース。なんか、すごいことになりそうな予感がします。

葉月:こうして続けざまに何かが出るというのが楽しくていいなあ、と思うんですよね。ワクワクしていられる時間が長く続くことになるわけで。ただ、正直に言ってしまうと、当初は「EVOKE」を8月に出して、10月のアルバム・リリースまで少し間が空く感じの“普通の流れ”が組まれていたんです。

――結果、その狭間に「ETERNITY」というシングルも登場することになったわけですが。


葉月:ええ。実はこの曲のMVの構想というのをずっと前から抱えていて、それを撮りたいという気持ちから「ETERNITY」をこの時期に出すことにした、という経緯があるんです。しかもこの曲は、1枚だけ独立した感じでシングルとして出すのには相応しい感じのものではないところがあって。僕としては、「これが今のlynch.だ!」というのを強力に打ち出せる曲というのをまず提示したうえで、この曲を出したかったんです。だから、「EVOKE」ありきの「ETERNITY」みたいな関係性がこの2曲の間にはあって。



――なるほど。実際、「EVOKE」は間違いなくlynch.の今現在を象徴する楽曲だし、新しい代表曲になるべきものだとも思うんです。

葉月:そうですね。自分たちを1曲で表す曲、ということになると思う。もちろん今現在で言えば、ということですけど。「ETERNITY」を先に聴かせてしまうと何らかの誤解が生まれる危険性もある気がするし。だからこそ、その前にこの曲に触れてもらいたかったんです。

――その発言の意味は「ETERNITY」が登場した時に初めてわかる、ということになりそうですね。こうして連続的にシングルが発売されるのは「LIGHTNING」と「BALLAD」がリリースされた頃以来ということになりますけど、lynch.にとってシングルというのはどういった意味のあるものなんでしょうか?

玲央:そこでの考え方はそれぞれ違うと思うんですけど、シングル曲がライヴにおける重要な位置を担うものになることが多いという傾向はこれまでにもありましたよね、このバンドの場合。『GALLOWS』というアルバムで、より高い完成度やクオリティを追求することができて、それによって自分たちのハードルを高めてしまったところもあると思うんですね。その後に出た10周年のベスト・アルバム「10th ANNIVERSARY 2004-2014 THE BEST」でも過去曲をいくつか録り直していたりして、グレードを『GALLOWS』に揃えたようなところがある。だからこそ今現在の自分たちなりの水準をクリアした、新たな武器になる曲というのを出さなきゃいけないという気持ちが強かったですね。ある意味、『GALLOWS』を壊せるような曲じゃなきゃいけない。そういった力を持っているのが「EVOKE」という曲じゃないかと思っていますし。




晁直:正直、シングルを聴いて、それだけで判断されてしまう怖さというのもあるにはあるんです。ただ、今回の2枚というのは次のアルバムに向かう流れのなかにあって関連性の高いものでもあるし、しかも必要以上に策略的なものでもない。こういう機会があった時に、たとえば“『GALLOWS』の先にあるもの”を提示しようとか考え過ぎてしまうと、逆に駄目だと思うんですよ。そこで自然にこれまでの経過を踏まえつつ、『GALLOWS』でやってきたことをさらに昇華させたものにするのが理想だった。「EVOKE」はまさに、そういうシングルになっていると思うんです。

明徳:確かに。この「EVOKE」のシングルも、コンパクトだけど密度の濃いものにできたと思うし、みんなの期待に応えながらも裏切っているというか、それを超越してるというか。「次はこんな感じだといいな」とみんなが思い描いてるものの、さらに上を行けてるはずだという確信があるんです。誰もが「これぞlynch.だ!」と思ってくれるはずだし、同時に新鮮さも感じてもらえるはず。そういうものを単体として打ち出すうえでは、シングルというのはとても効力のあるものだと思う。実験的なことをするにも好都合なところがあるし。

悠介:実験という意味では、カップリング曲というのも大事ですよね。カップリングだからこそ気負わずに作れる曲というのもあるし、そういう場だからこそ惜しみなく実験できるという部分もある。僕自身、音楽リスナーとしての部分では、好きなアーティストの曲をひとつでも多くコレクションしたいというのがあるし、作る側としても、lynch.のいろんな曲を1曲でも多く聴かせたいという願望があるんですね。もちろんそれは、ど真ん中の強力な曲があってこそできることなんですけど。「EVOKE」はまさにそういう曲だと思います。


――そして、だからこそカップリングでは思う存分に“色”を発揮できた、と。この先に控えている「ETERNITY」や、『GALLOWS』に続くアルバムも楽しみですけど、まずは今現在のど真ん中である「EVOKE」を味わい尽くして欲しいところですよね、リスナーの皆さんには。

葉月:そうですね。ただ、意外に思われるかもしれないけど、「EVOKE」というのは、僕のなかではまったく“『GALLOWS』の先にあるもの”という解釈ではないんです。あれが進化してこうなったというよりは、むしろベクトルの違うもの。もちろん、あのアルバムを経てきたからこそこのクオリティにできたとか、逆にここまで開けたものにできたというのはあるんですけど。実際、今現在の自分たちを代表する1曲ということにはなると思うんです。でも、アルバムが登場した時に、そんな感覚がぶっ壊れることになるはずで。そこでようやく“『GALLOWS』の先にあるもの”というのが見えてくることになると思うんです。だから、今からその瞬間を楽しみにしていてください。(インタビュアー:増田勇一)









「EVOKE」

2015年8月5日 発売
全3曲収録
KICM-1613 / ¥1,389+税 / 初回プレス限定仕様


<収録曲>
1.EVOKE 2.DOZE 3.GUILTY



「ETERNITY」


2015年9月2日 発売
全3曲収録
KICM-1614/¥1,389+税
初回プレス限定DIGIPAK&OUTER CLEAR SLEEVE仕様


<収録曲>
1.ETERNITY/2.ALIEN TUNE/3.VARIANT




「D.A.R.K.
-In the name of evil-」


2015年10月7日 発売
【初回限定盤】KICS-93256 \3,333+税
CD:「EVOKE」「ETERNITY」他収録
DVD:「EVOKE」「ETERNITY」Music Video収録
3作連動企画応募ハガキ封入


【通常盤】KICS-3256 \2,778+税
CD:「EVOKE」「ETERNITY」他収録
初回プレス分のみ3作連動企画応募ハガキ封入